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  • 冷凍倉庫の電気代を抑えるには?高騰の背景や削減につながる施策を解説

工場倉庫物流倉庫

2026.06.29

冷凍倉庫の電気代を抑えるには?高騰の背景や削減につながる施策を解説

  • # 暑さ・寒さ対策
  • # 省エネ・創エネ
  • # 老朽化対策

冷凍倉庫の電気代は冷凍設備の比率が高く、24時間稼働や燃料高騰、外気流入、設備老朽化で増えやすいです。設備更新や高速シャッター、断熱・LED化など、具体的な削減施策を解説します。

近年の電気料金高騰により、冷凍倉庫を運営する企業では固定費の増大が課題となっています。24時間稼働が必要な冷凍倉庫では、低温を維持するために大量の電力を消費し、電気代が経営を圧迫するケースも少なくありません。

本記事では、冷凍倉庫の電気代が高くなる理由と、設備更新を中心とした削減方法を解説します。

冷凍倉庫にかかる電気代の主な内訳

冷凍倉庫の電気代削減を考えるには、何にどれだけの電力が使われているのかを把握することが重要です。

冷凍倉庫における電力使用の内訳は、設備構成や運用状況によって異なりますが、冷凍・冷蔵設備が全体の約76%を占めています。倉庫内を低温に保つ冷却装置やコンプレッサーが、最も多くの電力を消費しているということです。主な電力使用の内訳は、以下のとおりです。

  •  ・冷凍・冷蔵設備:約76%
  •  ・照明・コンセント:約7%
  •  ・空調・換気:約5%
  •  ・動力:約5%
  •  ・その他:約6%

このように、冷凍倉庫では冷凍・冷蔵設備の電力使用量が大きな割合を占めます。つまり、照明や事務機器の節電だけでは、削減効果に限界があります。

電気代を大幅に削減するには、全体の約8割を占める冷凍・冷蔵設備本体への対策が欠かせません。設備の更新や効率化といった工事をともなう施策が、長期的なコスト削減につながります。

冷凍倉庫の電気代が高くなる理由

冷凍倉庫の電気代が高騰している背景には、設備の稼働特性と外的要因があります。
ここでは、電気代が上がりやすい主な理由を4つ解説します。

24時間稼働で電力消費が多いから

冷凍倉庫は、保管する食品や医薬品などの品質を維持するため、庫内を常に一定の低温に保つ必要があります。

一般的な倉庫や工場であれば、夜間や休日に空調や照明を停止できます。しかし、冷凍倉庫では稼働時間外であっても、常に低温を保たなければなりません。

そのため、冷凍設備は昼夜を問わず稼働し、電力消費量が大きくなりやすい傾向があります。とくに夏場は外気温との差が大きくなるため、庫内温度を維持する負荷が高まり、電気代も上がりやすくなります。

電力の原料となる燃料の価格が高騰しているから

冷凍倉庫は24時間稼働する冷凍設備によって多くの電力を消費するため、電気料金単価の上昇が運営コストに直結しやすい施設です。

2022年以降、ウクライナ情勢の影響や円安の進行により、液化天然ガス(LNG)や石炭など、発電用燃料の輸入価格が高騰しました。

これを受けて、大手電力会社各社は相次いで電気料金を値上げしています。2023年6月には、一部の地域で20〜40%もの値上げが行われました。

さらに、燃料価格の変動を反映する燃料調整費や、再生可能エネルギー発電促進賦課金なども電気代に上乗せされます。そのため、使用電力量が同じでも、請求額が以前より大きく増えるケースがあります。

こうした外的要因による電気代の上昇は、運用改善だけではカバーしきれません。

外気流入(扉開閉など)や霜発生による冷却ロスがあるから

冷凍倉庫では、荷物の搬入出で扉を開閉するたびに外気が庫内へ流れ込み、温度が上昇します。外気侵入による熱負荷は、全体の20〜30%にも達するといわれており、庫内温度を戻すために冷凍設備が余分に稼働します。

また、庫内の湿気が冷却器に付着して霜になると、熱交換が妨げられ、冷却効率が低下します。霜を取り除くデフロストにも電力を使うため、外気の流入や霜の発生を抑えることが、電力消費の削減につながります。

設備が老朽化して冷却効率が低下しているケースも

築年数の経った冷凍倉庫では、コンプレッサーや冷却器などの設備が経年劣化し、本来の性能を発揮できなくなっている場合があります。

古い設備は、冷媒の漏れやパッキンの劣化などによって冷却効率が落ち、同じ温度を保つためにより多くの電力を必要とします。

また、旧型のコンプレッサーは省エネ性能が低く、最新機種と比べて消費電力が大きくなることもあります。老朽化した設備を使い続けると、不要な電気代がかかり続ける原因になりかねません。

設備更新による省エネ効果は大きく、長期的には投資回収を見込める場合もあります。

冷凍倉庫の電気代を削減する方法

ここからは、冷凍倉庫の電気代を削減するための具体的な方法を、電気代削減効果の高い順に紹介します。

冷凍設備を更新する

冷凍倉庫の電気代を抑えるうえで、とくに効果が大きい施策のひとつが、冷凍設備を省エネ性能の高い機種へ更新することです。冷凍・冷蔵設備は電力使用量の約8割を占めるため、設備更新による削減効果が表れやすい部分といえます。

最新の冷凍設備には、高効率コンプレッサーやインバーター制御、最適制御が可能精密なデフロスト機能などが備わっており、旧型の設備に比べて消費電力を抑えやすくなっています。

設備全体を見直すことで、冷却性能を維持しながら、電気代の削減が期待できます。

とくに築年数が経過した倉庫では、設備の経年劣化によって本来の性能を発揮できず、余分な電力を消費している可能性があります。そのため、老朽化した設備を使用している場合は、更新によって省エネ性や運転効率の改善が見込めます。

以下では、冷凍設備を更新する際の主な施策について解説します。


≪コンプレッサーを高効率な方式に替える≫

コンプレッサーは冷凍設備の心臓部であり、冷媒を圧縮して冷却サイクルを作り出す重要な機器です。

従来のレシプロ式(往復動式)から、スクリュー式やスクロール式などの高効率な方式に更新することで、同じ冷却能力でも電力使用量を削減しやすくなります。

これらの方式は連続運転に向いており、長時間稼働する冷凍倉庫では、省エネ効果を発揮しやすい点が特徴です。


≪コンプレッサーをインバーター型に替える≫

インバーター型コンプレッサーは、冷却負荷に応じて回転数を自動で調整できるため、必要以上の無駄な電力消費を抑えられますやすい設備です。

従来の一定速度で運転するコンプレッサーは、庫内温度が設定値に達すると停止し、温度が上がると再び起動します。この起動と停止を繰り返す際に、大きな電力を消費しやすい点が課題です。

一方、インバーター型は必要な冷却能力に合わせて回転数を下げながら運転を続けられるため、頻繁な起動停止を減らせます。消費電力を20〜30%削減できるとされており、冷凍倉庫のように長時間連続稼働する設備では、とくに大きな省エネ効果が期待できます。


≪デフロスト制御を導入する≫

デフロストは、冷凍設備の冷却効率を維持するために欠かせない工程です。一方で、加熱によって霜を溶かすため、多くの電力を消費しやすい工程でもあります。

従来のタイマー式デフロストでは、霜の付着状況に関係なく一定時間ごとに霜取りを行うため、必要以上に電力を使ってしまう場合がありました。

最新のデフロスト制御システムでは、温度センサーや霜検知センサーを用いて、霜取りが必要なタイミングを判断します。必要なときだけデフロストを行うことで、無駄な加熱を抑え、電力消費の削減につながります。

また、霜取り回数を適切に制御することで、冷却効率を保ちながら設備への負荷も抑えやすくなります。


≪熱回収や熱交換の効率を上げる≫

冷凍設備の運転中には、冷却の過程で排熱が発生します。この排熱を捨てずに再利用することで、エネルギー効率を高められます。

たとえば、コンプレッサーから出る排熱を給湯や暖房に利用したり、冷却器で発生した冷熱を効率よく庫内に配分したりする方法があります。システム全体のエネルギー消費を最適化しやすくなる点がメリットです。

また、熱交換器の性能を高めることも、省エネにつながります。

高速シャッターを設置する

冷凍倉庫の出入口に高速シャッターを設置すると、扉が開いている時間を短縮でき、外気の侵入を抑えやすくなります。

外気が庫内へ流れ込むと庫内温度が上昇し、再冷却のために冷凍設備が余分に稼働します。高速シャッターを導入することで、こうした温度上昇を抑え、再冷却に必要な電力の削減につながります。

外気侵入による熱負荷は全体の20〜30%を占めるとされているため、高速シャッターの設置は費用対効果の高い施策といえます。とくに、荷物の搬入出が多く、頻繁に開閉が発生する出入口では導入効果が高まります。

なお、高速シャッターには、軽量で開閉速度が速いビニール製のシートシャッターや、耐久性に優れた金属製シャッターなどがあります。用途や使用環境に応じて、適したタイプを選ぶことが重要です。

エアカーテンやドックシェルターを設置する

荷物の搬入出時に外気が流れ込むのを防ぐ設備として、エアカーテンやドックシェルターも有効です。

エアカーテンは、出入口に設置した送風機から下向きに空気の壁を作り、外気の侵入を抑える装置です。扉を開けた状態でも一定の遮断効果があるため、作業効率を損なわずに外気流入を抑えられます。

ドックシェルターは、トラックの荷台と倉庫の出入口を密閉するように覆う装置です。搬入出時の隙間をふさぐことで、外気の侵入を最小限に抑えます。

これらの設備を高速シャッターと組み合わせることで、外気侵入による冷却ロスをさらに削減しやすくなります。

屋根や外壁に遮熱シートを貼る・遮熱塗料を塗る

冷凍倉庫の建物自体の断熱性能を高めることも、電気代削減に効果的です。

屋根や外壁に遮熱シートを貼ったり、遮熱塗料を塗ったりすることで、太陽光による熱の侵入を防ぎ、庫内温度の上昇を抑えられます。

とくに屋根面積が広い倉庫では、夏場の日射による熱負荷が大きいため、遮熱対策の効果が表れやすくなります。

照明をLEDに更新する

冷凍倉庫の照明を従来の蛍光灯や水銀灯からLEDに交換すると、照明にかかる電力消費を抑えられます。

LEDは蛍光灯や水銀灯に比べて消費電力が少なく、寿命も長いため、交換頻度やメンテナンスコストの削減にもつながります。また、低温環境下でも安定して点灯しやすく、冷凍倉庫のような低温施設にも適しています。

さらに、従来の照明は点灯時に熱を発生するため、その熱を冷却するための負荷が増える場合があります。一方、LEDは発熱が比較的少ないため、庫内の冷却負荷を抑える効果も期待できます。

照明制御機器を導入する

照明の消し忘れを防ぐには、人感センサーや自動消灯タイマーなどの照明制御機器の導入も有効です。

冷凍倉庫では作業エリアが広く、使用していない区画の照明が点いたままになっているケースも少なくありません。

人感センサーを設置すれば、人がいるときだけ自動で点灯し、不在時には消灯するため、無駄な電力消費を防げます。

設備の電源を自動遮断できるようにする

待機電力を削減するため、使用していない設備の電源を自動遮断する仕組みを導入する方法もあります。

たとえば、フォークリフトの充電設備や事務機器など、常時稼働する必要のない機器は、タイマー制御や遠隔制御によって不使用時に電源を切ることで、待機電力を削減できます。

まとめ

冷凍倉庫の電気代削減には、電力使用量の約8割を占める冷凍・冷蔵設備への対策が効果的です。高効率コンプレッサーへの更新やインバーター化、高速シャッターの設置など、設備更新を中心としたリノベーションにより、長期的なコスト削減につながります。

正和工業のRENOXIA(リノシア)では、電気・設備・建築の現場監督を内製化しており、給排水の更新や補修、電気・照明設備などを含む冷凍倉庫のリノベーションを窓口一本化で対応いたします。

冷凍設備の更新だけでなく、照明のLED化、断熱性の向上、空調・換気設備の見直し、創エネ設備の導入まで、倉庫全体のエネルギー効率を高める改修をご提案可能です。

現場の状況や運用課題に合わせて、電気代削減はもちろん、保管品質の維持や作業環境の改善まで見据えたリノベーションを実現します。現状診断から施工、アフターサポートまで一貫してお任せいただけますので、ぜひお問い合わせください。

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